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https://www.facebook.com/recoverycaravanTai

福祉新聞でリカバリーキャラバン隊の冊子「精神疾患を持つ方が働くための合理的配慮の会話帳でっかい輪」を取り上げていただきました。

多くの皆様のおかげでいい冊子になりました。心より感謝いたします。

精神障害者が働くために必要な合理的配慮とは

http://www.fukushishimbun.co.jp/topics/10061

キャラバン隊がNHKハートネットTVブログの取材を受けています

仕事とともに、このキャラバン隊の活動が大きな生きがいとなっていると紹介されています。

http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/3400/223531.html

2013年11月4日月曜日

就労を目指す

リカバリーカフェの参加者が「就労を目指す」というテーマで原稿を書いてくださいましたので、ご紹介します。

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就労を目指す

<就労許可を貰うまで>
 まず、治療の目標として、就労すると言う事を、主治医と利用している事業所の担当スタッフに伝えてください。今の貴方の病状は関係有りません。もし、デイケアや就労継続事業所、作業所などを利用していない人は、そう言う所を利用します。理由は簡単で、就労許可を貰えるまでの体力づくりと生活のリズムを作るためです。こう言った事業所の利用方法については後述します。
 主治医や事業所の担当スタッフに就労したいと言う希望を伝えても「ダメ」「難しい」などと言われるかもしれません。しかし、それはあくまで「今・現状」がそうなのであって、未来の可能性まで否定している訳では有りません。食い下がりましょう。「では、3年先に先生から就労許可を頂くと言う目標ではどうでしょう?」「現状の私が就労を目指せる段階にたどり着くまで、どういうステップをどのくらいの期間を目標に設定して進めばいいでしょうか」。そこまで言えば、何かしらアドバイスをくれるはずです。主治医、担当スタッフと自分とで目標を共有しましょう。私はその手順を踏まずにああでもないこうでもないしながら、10年を無駄にしました。今の私ならそうします。反面教師にしてください。出来るようになるまで、主治医へ報告。自分なりの工夫も忘れずに。限られた時間の中で、結果報告や相談を要領よくノートにまとめて受診して下さい。担当スタッフにも外来のたびに結果を報告して下さい。自分が変われば、主治医や担当スタッフも変わります。

 一つ一つ課題をこなしていき、ステップを踏みながら、今利用している事業所もなんとなく通うのではなくて、目的意識を持って利用して下さい。私の主治医はデイケアの通所開始にあたって、「とにかく、多少体調が悪くても、毎朝決まった時間にデイケアに行くように。極端な話、毎朝決まった時間にたどり着いたら、いつ帰っても構わない」。先生はまず、生活のリズムを作ろうと考えたのだと思います。その後、事情が有って、就労継続B型事業所(パソコン教室)にも通う事になりました。通所開始にあたって「パソコンのスキルなんてどうでもいいから、メンバーの人と良くコミュニケーションを取りなさい」とだけ言いました。私はそれで終わりにはしなかったです。仕事が始まれば、8時半9時出社が当たり前。8時半にデイケアもパソコン教室も行くようにしたり、デイケアの朝の会の司会者(当番制)が遅刻したり休んだりしているとき、司会者を代わってあげたり、デイケアプログラムの開始時刻前に、プログラムの準備(椅子などをそろえる)をしたり、全体ミーティングでは出来る限り意見を発表したりしました。また、パソコン教室では、定例会(月例)が有り、グループ討議の司会や発表者を買って出たり、休憩室のコーヒーメーカーの使用マニュアルを作ったり、工賃作業に参加したり、何かあれば、ちょくちょく担当スタッフに相談に乗って貰ったりしながら、色々積極的に事業所を「利用させて」貰っていました。

 次に、体調管理。具体的には規則正しい生活と黄色信号や体調異変の予兆を見逃さないこと。症状が出る前に、対処します。対処は
頓服の服用。気分転換や、趣味の幅を広げる事も大事です。

症状の出る前に対処をして、体調を維持することは就職活動を始められる条件です。そして、それは就職活動が始まってからも、仕事が決まっても、絶えず、念頭に置かなければならない事です。頓服については主治医と相談すればいいのですが、趣味や気分転換は自分で探すことになります。気軽に出来て、お金が余りかからなくて、効果が有れば何でもいいです。例えば、私は歌を歌う事が好きです。歌えば気分がすっきりします。でも、歌にコンプレックスを感じて居たり、歌う事がストレスになる人には有効とは言えません。自分なりに好きな事、楽しめる事を見つけてください。

<就労許可を貰ったら>

 就労許可が出たら、まず、デイケアなどの担当スタッフに報告をして、その際、自分と言う人材の棚卸をしてください。自分の得意な事、苦手な事、持ってる資格や特技などを棚卸してみてください。

 そのうえで、ハローワークに行くことになります。登録して、支援をしてくれる人を探してください。ハローワークで、障害者の就労支援機関を教えてくれます。そこへも登録を。私はパソコン教室の精神保健福祉士さんに精神的な問題の支援をお願いして、主たる就労支援(私にはたくさんの支援者さんが居ましたが、支援の中心になってくださる方です)を支援機関にお願いすることにしました。就労支援機関に登録している方の場合は大体こういう形になると思います。私の場合は、デイケアやパソコン教室以外に、支援機関の方、病院の精神保健福祉士さん、立川の東京障害者職業センター(職業適性を見てくれたり、ジョブコーチと言って、障害に応じた仕事を覚える際のアドバイス、企業への助言などをしてくれる専門家を派遣してくれます)、も利用していたので、職業センターの人も支援してくれました。誰に何を支援してもらうかを明確にしておくことです。

 そして、支援者さんに自分を理解してもらったら(私はここにたどり着くのに5か月半かかっています。焦りも有りました。でも、結果的にたくさんの支援者さんに支援を頂けるようになったので良かったと思っています)、仕事探しです。異論は有るでしょうが、私は病気や障害をオープンにすることをお勧めします。通院で休暇を頂けたり、堂々と薬を飲んだり、障害者採用枠で採用してもらえれば、色々と配慮してもらえるからです。

私の場合ですが、週最低24時間勤務の求人でした。しかし、採用が決まってから、色々お願いして、週20時間勤務からスタートしていいことになりました。オープン、障害者採用枠で行けば、収入は一般求人より見劣りしますが、逆に、支援者さんに助けてもらいながら、交渉をして、色々、妥協してもらえる一面はあります。求人票の記載はともかくそう言う余地はあるのです。

<実際の活動>

 ハローワーク、支援機関の支援者さんには最低、週一回は面談の約束をしましょう。最初ハローワークでは担当の人が検索すると沢山の求人を探し当てます。要領をつかめば同じことが出来るようになりますが、その中から、応募できそうな求人票は印刷して、見てもらい、意見を聞きましょう。

専門家はやはり、求人票の情報からかなりの事を引き出してくれます。その辺りは、自宅で検索しただけでは分からない部分です。それには大いに甘えましょう。

 新しい求人を見つけたら、支援機関の支援者さんに相談して出来るだけ、応募します。何故かと言うと、モチベーション維持が出来るからです。選り好みしすぎて、応募して採用されなかったらやはり落ち込みます。採用されなかったときに応募している求人が有れば、落ち込んでいられません。次が待っているからです。

文章に自信がある人も最初は支援機関の支援者さんに応募書類を添削してもらいます。個人的な意見ですが、添削してもらう支援者さんは一人が良いです。何故かと言うと、支援者さんごとに添削結果が違うからです。余計なところで迷うくらいなら、支援機関の支援者さんに添削してもらうと決めた方が良いです。

<応募書類作成→面接→採用>

 応募書類はパソコンで打つことをお勧めします。一般的には履歴書は手書きでなどと言うようですが、私は次の理由からパソコンで良いと思っています。

履歴書の志望動機や、通勤時間、日付など以外は毎回同じ
内容です。手書きに拘る会社は落としてくれればいいだけの話です。

応募も迅速になります。なんせ大枠はコピーですから。

狭い記入欄に色々書けます。これは大きなメリットです。

読みやすいです。何しろ活字ですから。

例外が有ります。字のきれいな事を売り込める人です。そう言う人は、履歴書位は手書きで書くのも良いと思います。

 次に、それぞれの応募書類を書く上でのポイントや注意点です。添え状から。添え状とは、応募書類一式を確認してもらうための儀礼的色彩の大きな書類です。一般的な就職活動の参考書の文例を参考に作れば、良いと思います。ここまでは、一般論です。この添え状に是非、御社に入社したい、自分はこういう人材、きっと○×の業務でお役にたてるのではないかと思います。どうか、面接の機会だけでも頂けないでしょうか。と言うような一文を簡潔に添えて置くとよりいいと思います。

 次に履歴書です。履歴書は志望動機が重要です。「御社に入りたいんだ」を前面に出す場合、ある程度企業研究をして中途半端でない知識を持っていることが望ましいです。それが書ける自信が有る場合は、そう言う書き方が良いと思います。私は正直言って、今回採用していただいた企業(小売業)のことを良く知りませんでした。生半可な知識で、志望動機を書くくらいなら、自分はこういう人材です。きっと御社でこう言う事でお役にたてるのではないかと思います。みたいな書き方の方が、ずっと印象が良いと思います。次に、履歴書に書く、資格欄です。書いてはいけない資格が有ります。英検3級などです。この資格は、中学卒業程度と言う試験レベルの目安が公表されています。そう言う資格を書いてしまうと「何?この人、大学(あるいは高校)出てるのに中学レベルなの?」となってしまいます。私は昔、総務を経験していますが、人事担当の発想ってそう言うものです。逆に、仕事とは関係ないのに書いて置いた方が良い資格はあると思います。私はそれを書いてみて、それが採用にどう影響したかは分かりませんが、場合によっては効用が有ると信じて書き続けた資格です。第三級アマチュア無線技士。これを見てどう思いますか?「電気回路とか強そう」「無線ってお話でしょ?話好き(=コミュニケーション力が有る)な人なのかな」とか、資格所持者の人となりを知ってもらえる一面って有りませんか?「え?この人、無線やるの?」面接官が偶然無線をやって居たら、親近感湧きませんか?そう言う資格は書いて置くとそう言う偶然を期待できるように思います。柔道や剣道等の有段者なども同じ理屈で書いて置くといいと思います。「礼儀正しそう」「上下関係をわきまえていて、組織の中で上手くやって行けそう」そう言うイメージを持ってくれるかもしれません。

 次に、職務経歴書。見やすさがポイントで奥が深いです。私はバージョン17まで作りました。これはパソコンで作るべきだと思います。職歴の無い人は場合によっては工賃作業について書くのも良いと思います。先の、英検3級は職務経歴書の自己PR欄を使い、こういう風に売り込みます。「基本的な日常英会話が出来ます」とか。私は事務職志望だったので、学生時代から、合唱をやってきました。良く通る声で気持ちの良い電話応対が出来ます。とか。勿論、パソコン教室ではパソコン関連資格を持っている人も多いでしょうけれど、そう言う物が無い人、少ない人には趣味や特技で仕事につながりそうなものを売り込んだりします。支援者さんの添削は必須だと思います。

 次に面接です。一般的な注意。清潔な身なり、小ざっぱりした格好で行きます。持ち物は最低限度に抑えます。特に指定されなければ、約束の10分くらい前に面接会場に行くようにします。面接会場(会社)に早くつきすぎるのも考え物です。面接官は分単位で仕事をしているのですから。但し、現地に着くのは不慣れな土地に行くことが多いでしょうから、時間には十分余裕を持って、現地で時間を潰せるくらいでちょうどいいと思います。時間が来て、面接会場に案内されたら、ノックをして、失礼します。と言いながら、入室。忙しい中、面接の機会を頂いて、嬉しいわけです。宜しくお願い致しますと誠実な感謝の気持ちをはっきりとした口調で伝えます。普段、あまり、ハキハキした口調ではない人は、少しゆっくり話すと、聞きやすくなります。「どうぞ、おかけください」と言われるまで、椅子に掛けない事。面接はあがります。あがるのが普通です。ものの本によれば、あがるのは心と体の準備が整ったと言う事。面接であがったら、準備OK。大体、あんまり風変わりな質問は出ないものです。「お名前は?」「ご自宅の最寄駅は?」「自己PRを○分でお願いします」「志望動機は?」「配慮して欲しい事があれば教えて下さい」とか。視線を面接官のネクタイの結び目辺りに持って行きながら、聞かれたことだけを簡潔に答えるようにします。「以上で面接を終わります。結果は○日の午前中までにご連絡します。」と、言われたら「はい。有難うございます。よろしくお願いいたします。」と言って、席を立ち、一礼。ドアの前で、「失礼しました」と言いながら、もう一度一礼。面接のマニュアル本みたいなものは有りますが、あまり参考にはしませんでした。要は熱意と素顔の自分を見てもらう事に尽きると思うから、マニュアル本は最低限のマナーしか読みませんでした。

 面接が終わって帰宅したら、面接の機会を頂いたことに感謝するお礼状をしたためます。今回採用が決まった会社は、夕方の3時半に面接開始。4時に終わり、「明後日に結果をお知らせいたします」と言われました。面接会場の横浜から、自宅まで1時間半、お礼状を20分ほどで書き上げ、地域の中央郵便局(全部同じかどうかは分かりませんが、私の地元の中央郵便局は夜7時までやっています)に6時半に着き、速達で送りました。明日の午前中には届くとの事。ぎりぎり、読んでいただけるだろうか。

お礼状は、日付、お礼状と言うタイトル、拝啓から始まり、季節の挨拶(Wordのあいさつ文挿入の機能を使えばいい)、面接の機会を頂いたお礼、面接で仕事の内容などを聞いて、ますます入社への意欲が高まりました。是非、採用の前向きなご検討をお願いいたしますなどの文章を考えて、敬具で結びます。明後日と聞いていた、結果連絡が翌日午後に連絡が来ました。採用理由は知る由も有りませんが、タイミング的に、お礼状を読んだ上で前倒しで決定したのではないでしょうか。


書類選考や面接が通らなくて、何故だろうとかは全く考えるなとは言いませんが、余り意味が無いと思います。要は、採用側の求める人材と貴方とのミスマッチ。または、もっといい条件の人が通っただけの話。貴方に非が有る訳ではないからです。

 反省するなら、次は自分をこう売り込むために、応募書類をこうしようとか、今度同じことを聞かれたらこう答えようとかその程度を振り返り、次に備えます。

諦めず、体調に気を付けて、進めれば、終わりは有ります。私は10年のブランク、決して若くない年齢、精神疾患だけでなく、大腸にも持病がある。人材としては欠陥だらけの人材です。それでも仕事は決まります。要は根気と粘り強さです。世の中、努力しても報われないことも多いですが、就職活動は、努力したら、結果になって現れます。私が人材として難が沢山有るのに仕事は見つけられたことでも分かります。それでも3社に一回くらいのペースで書類選考を通っているのです。

末筆ですが、この一文が、少しでも就労を目指す方々の参考になれば幸いです。

リカバリーカフェ参加者

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