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https://www.facebook.com/recoverycaravanTai

福祉新聞でリカバリーキャラバン隊の冊子「精神疾患を持つ方が働くための合理的配慮の会話帳でっかい輪」を取り上げていただきました。

多くの皆様のおかげでいい冊子になりました。心より感謝いたします。

精神障害者が働くために必要な合理的配慮とは

http://www.fukushishimbun.co.jp/topics/10061

キャラバン隊がNHKハートネットTVブログの取材を受けています

仕事とともに、このキャラバン隊の活動が大きな生きがいとなっていると紹介されています。

http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/3400/223531.html

2013年1月11日金曜日

日本のIPSについて 17.他機関と連携する困難と醍醐味

日本のIPSについて
17.  他機関と連携する困難と醍醐味

福祉・労働系のサービスで就職活動を重点的に担う一方、医療機関もそれに協力すべきだと書きました。とはいえ他機関と連携するのは支援方針の一致を調整が必要となり、とても面倒なことです。自機関だけで支援を完結させる方が、よっぽど容易です。桜ヶ丘記念病院でもサービス提供の舞台をデイケアから医療相談室に移すことにより、デイケアに登録していた患者だけでなく、主治医を当院に持つ患者であれば誰でも支援できるようになった一方で、地域の作業所や就労継続事業者等を利用している患者がIPSサービスを求めるようになってきました。このことが中原の頭を悩ませていました。つまり就労準備モデルによるサービスを終了し、当院による「エビデンスのある」IPS支援を開始するにあたり、作業所等にそれを理解してもらうことに困難を感じていたわけです。自立支援法内サービスであれば、利用人数は事業所の報酬に直接響きます。そのため事業所側も必死です。間に挟まれた利用者も苦労していました。気を使い、「いきなり辞めると角が立つので、作業所は週に2回は出ようと思います」と中原に申し出る者もいた次第です。

これに対し中原らは地域の関係機関等に対して、IPSのエビデンスを提示する勉強会等を行ってきました。しかし「従来の準備モデルより就職率が高いエビデンスに基づいたサービスです」「どんなに重たい症状でも、まずは就職させる」「失敗も大いに結構。IPSでは失敗を恐れない」等が誤解され、「今まで私達が企業と積み上げてきた信頼関係を壊す無責任なサービスだ」と非難されることもありました。地域の支援機関との溝は深まってしまいました。

しかし、患者が住む地域のジョブコーチや利用している福祉事業所のスタッフとチームを形成することはリスクマネジメントにつながります。院内あるいは法人内サービスだけで患者を囲うことは援助者と患者の不均衡な関係を助長しかねず、さらには患者のキャッチボールで援助者が報酬を得る温床となりやすいものです。増える一方の担当患者数に対応する側面もありましたが、既存の社会資源とその強みを最大限に活用し、ケースを通してリカバリーやストレングスモデルのイメージを共有することもまた、地域を地域精神保健に戻す(ストレングスモデル第7)というIPS実践家が行わなければならない仕事の1つだと考えていたのです。

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