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リカバリーキャラバン隊も次の意見を出しました。
まず、合理的配慮を求めることに伴い不利益ないし不利な立場が発生すること、あるいは発生しうることに対する手当を十分に盛り込むことを求める。合理的配慮はまさに堂々と求めるべき権利であるが、配慮を求めることで受ける不利益的な待遇はもちろん、当事者に「申し訳ない」という心理的負担が生じうることを想定し、これを払拭するための技術的な工夫を配することについて明確に記す必要性があることを指摘する。配慮を求めることで損をするのが目に見える場合、配慮は実際には求められず、現象として配慮は必要とされていないものとして表象しかねない。この新法が機能するために必要な土台として、配慮を求めることにより不利益が生じない仕掛けを組み込む必要がある。
つぎに、障害者に対する差別は、実は障害者を援助することを生業とする専門家によって行われることが多いことに対して、意識して明文化するべきであることを提案する。日々、障害者に接する専門職による虐待が多く指摘されているが、これは言語道断としても、支援者による温情的態度はパターナリズムとよばれ、障害者の可能性を奪ってきたことが歴史的に検証されている。例えば「障害があるから子どもを産むのは難しい。その子どもは不幸だ。」という価値観に基づいて、実に多くの保健福祉領域の専門家が援助と称した人権侵害を侵しているが、「サービス・役務の提供」として一般論としてこれを述べるにとどまることなく、このことを敢えて指摘する必要がある。
さいごに、報告書も指摘しているように、紛争解決は当事者同士の話し合いによることが望まれる。そのためには健常者や支援者が差別禁止を単なる道徳的行為規範としてこれをとらえるのでなく、成熟し安心と安全を教授できる社会の仕組みとして、これを内発的に理解する必要があると考える。障害者の権利あるいは人権という古くからありながら成果に限界を見ているキーワードに頼るのでなく、報告書24頁に記される「合理的配慮が求められる根拠」のように、国民の全てに関係ある現象としてこれを説明することに努める責務にも触れることを提案する。
リカバリーキャラバン隊 飯野雄治、中原さとみ
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