精神疾患がある方の個別のリカバリー支援であるIPSには、支援の7原則があります。
これにもう1つ、大切な原則を加えるとしたどんなものがあるでしょう?
実践経験から一緒にワールドカフェ方式で考えてみませんか?
◆日時:平成25年2月16日(土)10時30分~14時30分(昼休みあり)
◆進行:リカバリーキャラバン隊 中原さとみ、飯野雄治
◆場所:調布市市民プラザあくろす2階 会議室1(京王線国領駅北口からすぐ)
(住所:東京都調布市国領町2-5-15)
◆参加費:1000円(資料代・会場費)
◆ IPSの7原則
働きたいと希望するすべての方を対象とする
就労支援と医療保健サービスを一体的に提供
職探しは本人の希望、興味、好みに基づく
福祉的就労でなく短時間でも一般就労を目指す
本人が希望すれば迅速に職探しをする
生活保護や年金など経済給付の相談も受ける
就職後のサポートも行う
◆主な対象者
興味のある方なら、誰でもウェルカム!
・支援者、学生
・精神障害の当事者
・障害のある方の家族
※安心して参加できるためのルールを設けます
◆内容
1テーマと背景について(飯野)
2「こんなとき、こうしてきた」(中原)
3私のアイデア(寄稿者)
4経験から学ぶため話し合う(中原)
◆申し込み
事前に参加人数は把握したいのでrecoverycaravan@gmail.comまでなるべくメールしてください。(メールできなければ、当日直接来てください)
主催:リカバリーキャラバン隊 Yes,we’re the Recovery Caravan!
アイデアやテーマ、寄稿者も募集しています
◆実践に基づくIPS学会とは
リカバリーのための就労支援が全国各地で始まっています。実践に基づくIPS学会では、理屈ではなく支援の現場だからこそ得られた経験を活かし、そこから得られる知恵、知識、アイデアを共有し学ぶための会です。
◆「臨床の知」の必要性
私たちは経験から学び、成長します。これに疾患の有無は関係ありません。「科学に代表される〈近代の知〉は確かに大きな成果を生んだが、例えば医学文明は人間の痛みを麻酔することにより、他人への思いやりの基礎を奪うなど、人間を非人間化された生存にしてき」ました。「自己を括弧に入れて責任を回避する客観主義や普遍主義の落とし穴に落ちないために、経験から多くを学ぶ臨床の知、れっきとした根拠を持った臨床の知を身につける必要」があります。
◆客観性を超えて
合理性や効率主義は、人を疎外化すると指摘され久しいにもかかわらず、誰にでも同じ結果が得られるよう作られた診断基準は「精神科臨床実践に対して非人間化の作用を及ぼした」とようやく気づかれました。
客観性、普遍性、本質的なるものは神話であることを示した社会構成主義は、Evidence Based MedicineからNarrative Based Medicineへという流れを作っています。
◆私たちのめざすもの
支援者であろうと利用者であろうと、経験と言葉により私たちは知恵と技術をつむぎ、社会的事象を構築しています。私たちは支援するための技術を、支援者とその利用者の経験から知恵を構築し、そのたびに体系化することを目指しています。そしてそれはその利用者とともに対話しながら行うべきと考えています。
◆リカバリーキャラバン隊より募集
実践に基づくIPS学会では、実践の中で身に付けたIPS支援者あるいはサービス利用者の知恵、報告者、あるいは取り上げてほしいテーマを募集しています。recoverycaravan@gmail.comまでメールしてください。実践に基づいた知恵を持ち寄り、IPS臨床の知の構築を一緒に行いましょう。
会場は熱気に溢れていました。今回のテーマであった、”原則にもう一つ加えるとしたら何かを考えること自体が、”そもそもIPSとは?”を改めて考える機会になったようです。
下記は参加者の皆さんのアイデアと気づきです。
参加者の皆さま、本当にありがとうございました。
私のアイデア“新原則”
・情報を把握する。
・個人の能力を活かせる場所を見つける。
・家族のサポート 家族も健康になる。
・サポーター(医療側)も企業もよく立場を話す。
・情報の共有化。(本人の意思にそう)
・ピアサポーターを増やし伴走する。
・企業主体。
・地域社会の中でボランティアを活かす支援。
・可能性を引き出せる支援。
・企業と当事者のすり合せ。
・働くことはなにかと企業を良く知る!
・その人のもとめる物を捜す。
・より良い理解者。
・具体的なイメージをもつ。企業サイドからの話も参考にする。ピアサポートの活用。働く楽しさ。
・IPSは常に地域や学生など周囲のサポートを入れる。
・なんでもかんでも訓練は良くないが訓練が必要な仕事もある。
・尊厳を重んじて支援する。
・情報共有(公開)。
・誰に相談できるか分からない時はここ見てネというサイトを用意する。
・就労移行支援施設は多くあるので、個々の特色を持ち、独々の現場に近い訓練を行い、会社の要求に答える。
・支援者は自分の働き方仕事の仕方を見直す。
・支援者は地域についてもっと良く知る。
・アメリカ式?日本式?ではなく、地域単位でのカスタマイズが必要。
・ゆとりある支援=時間+支援者+当事者。
・IPSの多様化地域性、独自性、特色うちだす(オリジナル版)。
・「当たりまえ」の効率化。
・支援者は多いほど良い。
・必ずしも訓練がよくナイわけじゃない。
気付き(考えたこと)
・地域によって全然ニーズが違うということがわかった。
・効率化や分業化の弊害。
・企業側の視点を持つバランスの重要性。
・自分中心でなく周りとのつながりで生きてゆく。
・仕事・・・・生きるあかしかもしれない。
・コミュニティの重要性。
・立場によってニーズや主張するコトがずいぶんと変わる。
・同じように困っているし問題意識を持っているんだ。
・企業との折り合いは可能である。
・あたってみれば、就労支援は、楽になるのでは。
・IPSはまだ発展し得る。HOPE。
・説明することのむづかしさ、理解することの大切さをしる。
・伝えることの「責任」をもつことに気づく。
・必要なときに対応できていない現実を打破したい。
・7つの原則も立場等により、捉え方が違う。その事からそもそもIPSは幅のある支援なのかな。
・“原則”を“考え方”に変えた方が良い。
・何気なくやっていた支援。大切な態度・価値がわかった。
・やはり会社のことを知らない。
・訓練という言葉への私達のもつこだわり。
・既に多くの取り組み・工夫をしている人に出会えてよかった。色々な可能性がまだ残されていることが確かめられた。
・支援の現場でも“生産性”を考えた方が良いとあらためて感じた。
・支援者によって原則のとらえ方がちがう。
・社会資源を当事者の人が知らなすぎ。とこに情報を求めていっていいかすらわからない。
・営業トークに訓練が必要。
・雇用してもらう先(会社)の状況をよく理解する。
・福祉は企業を知ってお金にあざとい思考をつける。
1 件のコメント:
お知らせをありがとうございました。当日はのっぴきならぬ用があり、出席できなくて、残念でした。とても活発な討論がなされたようですね。みなさまの気づきから、改めてIPSについて、働くことについて、教えられました。私は今学校へ行っていて、週1日と、ときたまアルバイトをしていて、まだ定職に就いていません。私も早く働きたいです。自信はありませんが、まず学校をがんばって卒業して、しっかり働きたいと思います。これからもよろしくお願いいたします。
コメントを投稿