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https://www.facebook.com/recoverycaravanTai

福祉新聞でリカバリーキャラバン隊の冊子「精神疾患を持つ方が働くための合理的配慮の会話帳でっかい輪」を取り上げていただきました。

多くの皆様のおかげでいい冊子になりました。心より感謝いたします。

精神障害者が働くために必要な合理的配慮とは

http://www.fukushishimbun.co.jp/topics/10061

キャラバン隊がNHKハートネットTVブログの取材を受けています

仕事とともに、このキャラバン隊の活動が大きな生きがいとなっていると紹介されています。

http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/3400/223531.html

2012年12月28日金曜日

日本のIPSについて 3. 日本でのIPSの試み

日本のIPSについて
3.      日本でのIPSの試み

日本でのIPSの実践は2005年ごろが最古のものと言えます。国のモデル事業として千葉県市川市(国立精神・神経センター国府台病院)、愛媛県宇和島市の地域で試行されました。また東京都多摩市の桜ヶ丘記念病院もこの時期に開始しています。また少し遅れますが、同じく東京都多摩地域にある他の精神科病院でも同様の取組が始まり、わが国での初期のIPS実践報告や普及啓発はこのメンバーにより行われてきました。千葉県市川市、愛媛県宇和島市はモデル期間終了とともに事業は終了し、また多摩地域の精神科病院の取組も職員の退職により実践は終了しました。なお、桜ヶ丘記念病院は現在もこれを続けています。

その後、障害者自立支援法の施行に伴い、医療機関でなく、就労移行支援事業所などによるIPSモデルの採用が、一部の熱心な先駆者により行われました。千葉県市川市や多摩地域精神科病院でIPSを実践した方たちも、この福祉系サービスとしてIPSモデルに取組んでいます。そして、最近、障害者就業・生活支援センターやデイケアなどの医療機関でもIPSモデルに取り組み始めた実践が他にいくつか見られるに至っています。私たちが支援者養成研修を行った地域のうち、北海道、宮城県、長野県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、岡山県、広島県などでは程度に多少の違いはありますが、IPSの考え方を採用した援助が現在も展開されているのを確認しており、成果を上げ始めています。

ただし、IPSの支援態度は7原則として表現されていますが、このいずれをも満たした継続的な実践は桜ヶ丘記念病院以外にありません。7原則のうち、精神科リハビリテーションとの統合という原則について、福祉・労働系のサービスでは困難なようです。また医療機関であってもデイケアでこれを行う場合、すべてのケースについて主治医をチームに入れることは難しくなります。桜ヶ丘記念病院においてもIPSワーカーの配属先は、デイケアから医療相談室に転換することで、外来・入院患者すべてに門戸を開くと同時に、医師との頻回な打合せが可能となりました。またこのことで、地域の就労支援機関とチームを形成することが容易になりました。

桜ヶ丘記念病院は都内多摩地域にある病床数518床の単科の精神科病院で、平成16年からデイケアにて準備モデルで就労支援を、17年にIPSを開始。18年には準備モデルプログラムは廃止。19年からIPSの提供部門をデイケアから医療相談室に移し、デイケア利用者に限らず外来・入院患者すべてに対しIPSの門戸を開きました。本拠地を相談室に移した頃から、院内だけでなく地域の関係機関とチームを形成したIPSを展開しています。当院に主治医を持っていれば誰でもこのサービスは無料で利用でき、現在のIPS利用者総数は110名前後に至っています。

桜ヶ丘記念病院のIPSチームに加わることが多いスタッフは60名弱(医師、看護師、精神保健福祉士、臨床心理士、作業療法士、管理栄養士、薬剤師等)、院内の IPSワーカー(いわゆるES:就労支援専門員)1名となっています。この1名は精神保健福祉士であり、国(障害者職業センター)の第1号職場適応援助者(いわゆるジョブコーチ)として稼働する資格を有しています。院内にIPS専門の多職種チームが常駐しているのでなく、クライアントの個別性に応じて院内外の関係者によりIPSチームが随時、形成されます。

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