【活動のねらい2】希望の存在
とはいえ、医師や支援者が「必ず良くなりますよ」と言ったところで信じることができない。こんなときに、精神疾患から回復した人、いや回復していなくてもよい、精神疾患とともにうまく生きている人の存在が、唯一の明かりとなる。
同じ診断名、同じ国、できれば同じ病院、同じ主治医のもとで、このような人たちは本当に存在するのであろうか。どんな生活をしているのだろうか。こういう興味さえわかないこともある。しかし、こういう人たちと出会い話をすることで、急に目の前が開け、明日を生きてみようと思えることがあるようだ。言い方を換えれば、こういう人たちと話すことは、医師の処方や専門的なリハビリテーションよりも効果があるということとなる。
しかし、こういう人たちと出会ったり話したりする機会は、なかなか持てない。こういう人たちはデイケアや作業所を卒業するなど、精神保健福祉サービスにどっぷり浸かっていることがない。病人とか患者として生きているのは、診察の時だけだ。
こういう人たちの持つ希望を伝達する能力は、価値がある。ピア、モデリング、自己効力感など難しい言葉を利用しなくとも、分かるだろう。こういう人たちの存在という埋もれかかっている才能に私たちは注目している。
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