【QAシリーズ】非現実的な目標
Q:精神障害者の支援をしています。本人の希望や目標を大切にするとのことですが、例えばウルトラマンになりたいなどの非現実的な目標でもよいのですか?
A:私たちは、それも立派な目標だととらえます。
精神障害者のアドボケイト(権利擁護者)養成研修では、「宇宙飛行士になりたい」と言う方がいれば、障害によりその可能性が制限されることがないようその方法を一緒に探す、と説明がありました。本人が見ている景色を大切にします。
Qのようにすぐに理解が難しい場合でなくとも、本人が示した希望や目標について質問を重ねながら内容を深めていきます。この協働作業が目標を創ることとなります。なぜウルトラマンになりたいのか?そうなると今と何が違うのか?その目標にはどうしたら近づけるのか?身近に同様なモデルはいるのか?などについて対話しながら、その目標を役に立つものに創りあげていくことが可能です。
野球好きの青年は、王貞治さんになりたいと答えてくれました。まじめで努力家な人になりたいということでした。戦国武将になりたいと言う方は、小さなことに動じない不動の魂を持つ男になりたいとのこと。お母さんになりたいと言っていた方は、自分のお母さんみたいに優しくて親切な人になりたいとのこと。そのために自分も働いて、子どもに貢ぎたいと実習に挑戦していく方もいました。
確かにテロリストになりたい等の反社会的な目標が出てきた場合は、慎重に取り扱うべきでしょうが、そのような経験はまだありません。
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