【QAシリーズ】エンパワメントのパラドックス
Q:精神障害者の家族です。エンパワメントのパラドックスって、言葉が難しくて分かりません。教えてください。
A:パラドックスとは矛盾という意味です。
黒人がまだ差別されているとき、黒人が活躍できないのは能力がないからではなく、能力がないと決めつけられているからだと気づくようになりました。偏見により十分に力が発揮できない状況を改善し、本来持っている力を発揮できるような援助が大切だと考えられるようになりました。こういう援助の仕方をエンパワメントと言います。
どんな弱そうな人、無力そうな人でも実は可能性を持っていると考えることができるようになりました。適切な援助があれば、力を発揮できるというわけです。しかし、本人が力を出すように援助しすぎると、逆に本人は力を発揮できなくなることも分かりました。自分で問題をとらえたり、解決する機会がなくなってしまうからです。
どうせ無理だとあきらめてはいけない。力を持っていないわけではなく、あきらめることで力が発揮できなくなる。だからその力を引き出せばよい。しかし、引き出そうと躍起になるとむしろ引き出せない。これをエンパワメントのパラドックスと言います。
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