【QAシリーズ】働きたくない方への支援
Q:精神障害者の支援をしています。私の職場のメンバーさんは、働きたいと言う方は少なくモチベーションが低い方ばかりですが、どうしたらよいでしょうか?
A:今の生活に本当に満足しているのならば、無理をすることもないでしょう。働くこと以外に何かをしたいと、今の生活を改善したいと考えているならばIPS支援は開始されるべきです。長い入所生活をしている方に「地域に戻りたいですか?」と聞いたら「だって無理でしょ。仕事はどうしますか?家は?」と聞き返され、施設の職員に「余計なことをしないで下さい」と言わんばかりに忠告された経験があります。
今の生活に満足している方であっても、自分の可能性について見当もつかないため、現状に満足しているかもしれません。希望とは、見通しやイメージを持ち、可能性を知らないと、そもそも湧いてこないものです。わずかに希望があっても、自信がなかったり、それを実現するための方法を考えられなかったりするかもしれません。認知機能の障害があると段取りを組むのが苦手になります。やる気がないというのは本人が怠けているわけでなく、脳の機能障害に起因する症状かもしれませんし、「閉ざされた状況」が生みだした二次障害かもしれないというわけです。
希望を持つための支援、情報提供による可能性の提示を行うとよいでしょう。そして、どんな些細な、あるいは馬鹿げているような夢や目標、希望でも真剣に取り合うような関わりが可能性を生みます。決して妄想とか幻聴と処理しないようにしましょう。長い入院生活や重たい症状を持ちながらも、地域で活き活きと生活している方の姿は、多くの希望を提供できると感じています。
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