【QAシリーズ】働きたい人だけが支援対象か
Q:精神障害者の支援者を養成する専門学校の教師をしています。IPSの原則には「働きたい人はすべて対象」とあるが、働きたいと言わない人は支援の対象と考えるものでしょうか?
A:ワーキングライフ第12章にもあるように、本人が就労は「私には関係のないこと」と考えていても、IPSを紹介します。これは無理強いでなく、可能性を提示する作業となります。働けないと言われ続けてきた、働けるイメージが持てない、働くメリットが分からないなどから働かないことを選択しているのでなく、働くという選択肢をはじめから持っていない場合が多くみられるからです。
主治医などの依頼で、入院中の患者も支援します。「何もしたくない」「冷暖房完備で看護婦さんも優しく最高」と言う方の興味、希望を引き出し、入院中からパソコン教室に通うなどの支援を開始していきます。精神疾患があっても社会で活躍し自分らしい人生を送れるという可能性を紹介するには、似た状況にあった方たちの姿か何よりも役立ちます。当事者による講演会を開いたり、個別に会って話をしてみる機会を設定しながら、可能性の提示を行っています。
病気を持っている方が頑張っている話を聞いて、自分でも仕事ができるのではと思い、チャレンジすることにしました。医師には「働くにはまだ早い」と言われデイケアを勧められましたが、お試し参加でやめることにしました。今は病気をオープンにして、1日5時間、週5日の軽作業をしています。仕事は一番充実した時間で、自分が元気になる要素があります。(統合失調症、20代、男性)
こうして希望の輪が広がります。IPS7原則にありませんが、これも支援の一部と考えています。
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