【QAシリーズ】社会とのパイプ役
Q:精神障害者の支援をしています。支援者は社会とのパイプ役になるとか、地域開拓する必要があるとのことですが、ピンときません。教えてください。
A:地域生活での生活が実現するよう、患者が利用できる社会資源を開拓したり、創りだしたりすることもIPS支援者の仕事です。これをコミュニティソーシャルワークと言います。
例えばリハビリとして紙を折る患者を、日本の伝統工芸である折り紙作者として生活できるような場を創ること。患者が折った折り紙作品は押し入れに眠るだけでしたが、この作品を評価してくれる場を探すことにより外資系の企業が立派な工芸品として展示するに至りました。このことで「患者」から「折り紙作者」としての肩書が得られます。同様にガラス拭きの練習をする知的障害者を、バスの清掃で地域貢献する青年にすることなどが、私たちの地域で行われています。ネットワークを作り、障害のある方が地域で過ごすための情報や環境を手に入れやすいように耕しておくことが地域開拓です。
支援者が社会と交渉して社会での役割を作ることにより、同じような作業をしていても地域統合は実現できます。特別なリハビリや就職なくしても地域統合は可能かもしれません。
支援者には専門知識より社会経験が必要となるでしょう。一人の市民としての社会経験が役に立ちます。精神科医療や福祉の世界しか知らない支援者は、まず自分が地域で生活する経験を大切にすることから始めるとよいでしょう。
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