【QAシリーズ】本人の判断に無駄を感じる
Q:精神障害者の支援をしています。利用者の判断に波があり、支援者から見れば近道が見えていても本人が聞く耳を持ってくれない場合はどうしていますか?
A: 本人の判断や考えが揺れることについて欠点とか問題だと考えず、当然であることを思い出しましょう。誰でも人生の一大事を選択する際には迷うものです。その一方で精神疾患の症状から考えがまとまらない可能性があることも考慮しましょう。脳の伝達物質や脳細胞がうまく働かないためなのです。
ですから判断することをサポートすることは大切です。選択に関するメリットとデメリットを書き出すと同時に、本人にとって重要だと感じる価値観を確認します。進むべき道が見えてきたら、それへ向けての小さなステップや過去の成功、役に立ちそうな資源や可能性を確認します。判断に「波」があるのであれば、紙に書くなどにより考えたプロセスを残すシートが役に立つかもしれません。
その判断が支援者から見て遠回りに見えるかもしれません。それは支援者と本人とで見ている目標や景色が異なっているのでしょう。挑戦してみて「やっぱり」だめだった、という経験が本人には今は必要なのかもしれません。あるいは自分の可能性に気づいていて、「意外にも」成功するかもしれません。いずれにしろ本人が成長する経験とチャンスを支援者が奪うようであっては本末転倒、そう考えるべきでしょう。
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