【QAシリーズ】サービスの利用に反対する親
Q:精神障害者の就労支援をしています。本人の意向とは異なり、親が障害年金や精神保健福祉手帳の取得や利用を拒むことがあります。このようなときどうしていますか?
A:熱心で優しい親御さん、まずそう考えましょう。感情表出が高いからストレス源になるなどと早急に考えることは避けましょう。
なぜ反対するのかを丁寧に聞き取っていき、より上位の共有できる価値観を見つけましょう。例えば、一度年金をもらって味をしめてしまうと本人がそこから抜け出せなくなってしまう。いつかは病気を治して、普通の人として生活できるようになってほしい。と願っていると分かれば、ここは本人も支援者も親も共有できる価値観だろうと思われますので、これを確認しあいましょう。そしてこの目標に向けて3者で年金等を利用することについてのメリット、デメリットを話し合い、紙に書くとよいでしょう。うまくいっていることは続ければよいし、うまくいっていないことについては何らか別の方法を試してみる。そしてうまくいけば採用する。その単純な原則が役に立ちます。
本人の意見に耳を傾けることの大切さを伝えるために、エンパワメントの歴史やパラドックスの話を紹介することが役立つと感じています。また親御さんにとっての長期目標と本人のリカバリーの関係(優先順位)を確認するため親御さんと面談の時間を持つのもよいでしょう。「あの子が安心して挑戦できる土台を作るのが親の役目」と言うようになった方もいます。年金等を利用することについて、皆で対話して決めることに価値があります。
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