体育館等へ避難を余儀なくされている精神障害者に必要な合理的配慮について
被災した精神疾患がある方の支援者へ
リカバリーキャラバン隊と交流があるいくつもの地域で大変な被害が拡大しており、心を痛めております。食料や水を送ったり、多額の寄付をすることは残念ながら私たちにはできません。身の安全が確保されたのちも、精神疾患がある方にはこれから先に様々な困難を感じるかもしれません。私たちから出せるアイデアを微力ながら記載させていただきます。支援する方々自身の体調管理にも配慮ください。皆様の安全、リカバリーを心よりお祈りしております。
体育館等へ避難を余儀なくされている精神障害者に必要な合理的配慮について
脳内の神経伝達物質や細胞の異常により、精神障害者は次のような配慮が必要かもしれません。いずれも「わがまま」ではなく、病気によるものです。ご理解ください。
þ 他人の視線が気になり、健常者とは比較にならないほど苦痛を感じている患者がいるかもしれません。その場合、段ボールや布などでよいので視線をさえぎる個別スペース作りを検討ください。
þ 落ち着かない音、他人の話声が、健常者と比較にならないほど苦痛に感じている患者がいるかもしれません。他人の声がすべて自分への悪口に聞こえ、おびえているかもしれません。その場合、耳栓などを用意・活用してみてください。
þ 先の見通しが立たず、パニックになっている方がいるかもしれません。残念ながら長期的な見通しは立たないかもしれませんが、「3時に水のペットボトル1本、6時30分におにぎり2個」などの情報を紙に書いて渡すなどの配慮をご検討ください。また時計はいつでも確認できるよう、設置してある場所などを教えてあげてください。
þ ゆっくり休むことより、具体的にやる作業、あるいは役割があった方が落ち着く方もいます。休んでいると心配なことばかりが頭をよぎったり、かえっていらいらしたりすることも考えられます。また皆が忙しくしている中で、のんびりしていることにかえってストレスを感じることも考えられます。避難所生活の中で、適度な作業や役割を提供することをご検討ください。
þ 薬の副作用で水を健常者より多く求める患者がいるかもしれません。これはわがままではなく、薬の副作用であることをご理解ください。
þ 慣れない避難所生活で、判断に時間がかかり、取り乱しているように見える患者がいるかもしれません。例えば「薬の飲み方が分からない!」と取り乱していても、薬を手のひらに乗せ、水を渡せば、いつものように薬を飲みかもしれません。体で覚えた「手続き記憶」は混乱の中でも失われることは少ないので、支援に活用するとよいかもしれません。
þ ペットを散歩させるなど、避難生活の中では「無駄だ」と感じられるような作業が、本人のいつも行っている作業であるため、患者の安心につながるかもしれません。他人に迷惑をかけない範囲であれば、その「不可解な行動」をご了承ください。
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